椎間板ヘルニアとは、椎間板物質の一部が正常の位置から飛び出してしまい、脊髄神経を圧迫し、痛み、肢の麻痺、排尿障害を起こす病気です。
椎間板は、2つの構造(髄核、線維輪)からなり、椎間板ヘルニアは、2つのタイプがあります。
正常図
椎間板ヘルニア ハンセンⅠ型
椎間板ヘルニア ハンセンⅡ型椎間板ヘルニアの重症度は、神経麻痺の症状により5段階に分類されます。
椎間板ヘルニアは、CT検査またはMRI検査を実施する事で確定診断が可能となります。
当院では、身体検査や神経検査、症状、犬種により、椎間板ヘルニアが疑わしい場合、CT検査を実施し、椎間板ヘルニアの診断を行なっております。



CT画像:第12-13胸椎間にて、重度に突出した石灰化を伴う髄核(矢印)が描出され、椎間板ヘルニアと診断しました。
治療には、内科療法と外科療法があり、重症度、経過により治療方法を判断しております。
椎体(背骨)と筋肉を剥離し、椎体にアプローチしています。
椎体(背骨)をドリルで削り、脊髄神経にアプローチしています。
脊髄神経(矢印)が見えています。神経を圧迫する髄核が見えています(矢頭)。
圧迫していた髄核を摘出した後です。圧迫が無くなり、脊髄神経が真直ぐ走行しています。椎間板ヘルニアは、重症度を把握し経過を含めて、治療法を選択していきます。
外科治療が必要な場合、当院では、CT検査を実施し、椎間板ヘルニアの診断を行い、必要に応じて麻酔を継続したまま外科治療を行なっております。そのため、1回の麻酔で診断および治療を同時に実施する事が可能となります。
「抱っこ時に痛がって鳴く」、「ふらつきが見られる」、「麻痺が認められる」などお困りの際は、お気軽にご相談下さい。